ワンポイントレッスン 「輪郭」

ワンポイントレッスン、第1回のさくらんぼに続き、今回は季節の果物「もも」をモチーフにしました。

 3次元の世界にあるものを紙の上(2次元)に表す時、「そこにある」ように見えるようにちょっとした仕掛けが必要になります。地と図を分ける境が輪郭線ですが、これを強調しすぎると「そこにある」ようには見えず画面に張り付けたようになってしまいます。

 左の絵を見てください。左上方から桃に光が当たっています。
桃の左上の、光が当たっているところの背景はちょっと濃い調子にして背景側から形を出していますが(ネガティブペインティング)、桃の右側陰側の背景は明るくしています(ポジティブペインティング)。このように地と図の両方の明暗のバランスで立体感をだし、そこにあるように表現できるのです。
また、桃のようにつるんと光を反射しないものは輪郭を暈し気味にしたり、桃の皮の質感を表すために、渇筆でカサカサと描いたりするのも効果的でしょう。 (画像をクリックすると大きく見えます)